ガールズバーと風営法の関係を解説|違法店舗に気を付けよう

公開日: 2023年12月14日 最終更新: 2023年12月22日

ガールズバーと風営法の関係を解説|違法店舗に気を付けよう

「ガールズバーに興味あるけど違法店には行きたくない……」
「ガールズバーと風営法の関係は? 違法店の特徴とは?」

 

近年、ガールズバーの無許可営業等による摘発が相次いでいます。ガールズバーに通っていたり、これから行ってみたいと思っていたりする方の中には、こうした違法店舗摘発のニュースを聞いて自分も巻き込まれるのではないかと心配になった方もいることでしょう。

 

この記事ではガールズバーと『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律』(風営法)の関係や違法店舗の見分け方を解説します。

 

違法店舗は順法精神に欠けている場合が多くトラブルに繋がりやすい側面があります。また、仮にそのお店が摘発された場合、警察から参考人として取調べを受けることになるリスクも生じます。

 

この記事でガールズバーと風営法に関する正しい知識を身に着けて、安心・安全なナイトレジャーライフを過ごしてください。

この記事を読めばわかること

  • ガールズバーと風営法の関係や風俗営業許可の必要性についてわかる
  • ガールズバーの開業に際して行わなければならない手続きがわかる
  • ガールズバーにおいて違法営業となるケースがわかる

ガールズバーの定義とは?

ガールズバーと風営法の関係について解説する前に、そもそもガールズバーがどのような飲食店であるかについて解説します。

 

ガールズバーはキャバクラ等とは違った営業形態をもっています。そのため、法律上必要となる許可の種類なども異なります。

ガールズバーはカウンター越しに女性キャストとお酒を飲める飲食店

ガールズバーはその名の通り、バー形態の飲食店です。通常のバーと違うのは、バーテンダー等の店内スタッフが主に女性で構成されているという点で、お客は女性キャストとお話ししながらお酒を楽しむことができます。

 

多くの店舗で、女性キャストはカウンター越しに接客を行います。キャバクラと違ってお客さんの隣に座ってお酌をすることはありません。

 

また、特定のお客さんに特定の女性キャストが付くということもないため、通常は指名制がなく、その日お店にいる女性キャストが入れ替わり立ち替わりお客さんの前に立つことになります。

ガールズバーの営業時間

ガールズバーの営業時間はお店によって異なりますが、午後19時頃から翌午前5時までが営業しているのが一般的です。 学生や社会人が飲み会に行く時間帯から始まり、始発が出るまでの時間帯に閉店しています。

 

また、朝方にあまりお客さんが来ない地域では、午後19時頃から始めて翌午前2時ごろに終わらせているお店もあります。普段は朝5時まで営業し、お客さんがあまり来ない日には早い時間に切り上げるという方針のお店もあります。

 

一般的なキャバクラと違って、深夜帯にも営業しているお店が多いのが特徴です。

 

ガールズバーとキャバクラの違い
  ガールズバー キャバクラ
接客方法 カウンター越し 隣につく
営業時間 深夜も営業 深夜0時もしくは1時ごろに閉店

ガールズバーは風俗営業許可を取得しなければいけない?

ガールズバーの営業形態では風営法に定められた風俗営業許可が必要ないケースが多く、実際、 多くのガールズバーは風俗営業許可を取得せずに営業しています。

接待行為をしない場合には風俗営業許可は不要

ガールズバーはキャバクラと違い、風俗営業許可は必ずしも必要ではありません。

 

法律上、風俗営業許可は『客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業』について必要とされています。 通常、ガールズバーは客に対して接待行為をしないため、風営法に定められている許可もいらないのです。

接待行為とは?

接待行為というのは法律上、『歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと』とされています。具体的には、以下に挙げるような行為が風営法における接待に該当し得ます。

接待となり得る行為

  • 客と同じ席に着く
  • 特定の客と継続的に談笑をする
  • カラオケでデュエットする
  • 客と一緒にダーツ等のゲームをする
  • 指名制や同伴システムがある など

ガールズバーの多くはこれらの接待行為を行っていません。

 

キャスト女性はカウンター越しにお客と会話するだけですし、特定のお客に付くこともないため多くのお店で風俗営業許可は取得していないのです。

ガールズバーにおいて違法営業となるケースとは?

ガールズバーにおいて違法営業となるのは、主に下記の3つの場合です。

違法営業のよくあるケース

  • 風俗営業許可を受けずに接待行為を行っている
  • 風俗営業許可を受けながら深夜営業をしている
  • 18歳未満の未成年者を雇っている

風俗営業許可を受けずに接待行為を行っている

風俗営業許可を取得せずに接待行為を行った場合、風営法違反になります。風営法第49条では、風俗営業許可を取得せずに風俗営業を行った者に対して『2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、又はこれの併科』を科すと定められています。

次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者

 

引用元:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律49条

ガールズバーでよくあるのは、風俗営業許可を取得しないまま特定の客と継続的に談笑をしたり、客とカラオケでデュエットしたり、あるいはゲームをしたりするケースです。

 

よく「カウンター越しの接客であれば接待にはあたらない」という言説が聞かれますが、これは誤解です。カウンター越しの接客であっても、特定のお客に特定のキャストが付いて長時間談笑するようなケースでは接待にあたると解される可能性もあります。

風俗営業許可を受けながら深夜営業をしている

風俗営業許可を取得しているにも関わらず深夜営業を行っている場合も法律違反になります。風営法33条(深夜における酒類提供飲食店営業の届出等)に違反し、風営法54条の規定により『50万円以下の罰金』が科されるおそれがあります。

酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 営業所の名称及び所在地
三 営業所の構造及び設備の概要(以下略)

 

引用元:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律33条

次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

(中略)

第三十三条第一項の規定に違反(中略)した者

引用元:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律54条

ガールズバーの中には、接待行為を前提として風俗営業許可を取得している店舗もあります。そういったお店では深夜営業の許可が下りないため深夜0時以降の営業はできないのですが、許可を受けないまま深夜帯に営業をして摘発されてしまうお店もあります。

18歳未満の未成年者を雇っている

18歳未満の未成年者をガールズバーで働かせるのは違法です。

 

まず、風営法22条1項3号では『十八歳未満の者に客の接待をさせること』、同項4号では『午後十時から翌日の午前六時までの時間において客に接する業務に従事させること』を禁じています。

 

さらに、労働基準法62条では『18歳未満の者を衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない』と定められています。加えて、営業形態によっては児童福祉法や各都道府県が定める青少年健全育成条例に違反するおそれもあります。

 

このように、18歳未満の未成年者を雇っている店舗は複数の法律に違反している可能性があります。
 

違法店舗に出くわしたら通わないようにするのが無難

法律に違反しているおそれのある店舗に出くわしてしまったら、今後は通わないようにするのが無難です。

 

違法店舗を利用してしまったとしても、1回の来店で即トラブル化するケースというのは稀でしょう。しかし、違法店舗は順法精神に欠けているため、通っているうちに何らかのトラブルが発生する可能性は十分にあります。

 

また、仮に店舗が摘発された場合には、参考人として警察から事情聴取されるおそれもあります。

 

トラブルに巻き込まれるのを避けるためにも、下記に当てはまる店舗は利用しないようにしましょう。

 

避けた方がいい店舗

  • 深夜営業をしているのに一人のお客に一人のキャストが付いて長時間談笑している
  • 深夜営業をしているのに指名制や同伴制度がある
  • 深夜営業をしているのに女性キャストと一緒にゲームやカラオケができる
  • 18歳未満のキャストが働いている

まとめ

ここまでガールズバーと風営法の関係について解説してきました。

 

ガールズバーは必ずしも風営法における風俗営業許可を取得する必要はありませんが、その場合、接待行為をしないよう注意する必要があります。 また、風俗営業許可を取得した場合には深夜営業の許可が下りず、深夜0時以降の営業ができなくなります。

 

深夜営業をしているにも関わらず接待を行っているような店舗は違法店舗である可能性が高いため、利用を避けた方が無難です。

 

違法店舗は順法精神に欠けているためトラブル化する可能性が高く、仮に店舗が摘発されたら参考人として警察から事情聴取を受けることになる可能性もあります。

 

安心・安全にガールズバーを楽しみたい場合は、「風俗営業許可を取得し深夜営業を行わない店舗」か「風営法における接待行為をしない代わりに深夜営業を行っている店舗」、このどちらかの店舗で遊ぶようにしましょう。